最初に
(いつも見てくださる皆々様、お久しぶりでございます!!)
犬を飼ってない人に犬に歯磨きが必要なんていうと鼻で笑われるかもしれませんが、
現在の犬の適切な世話のうち、
歯のケアや管理は最早あたりまえ。
一方で、
歯石や歯ブラシの使い方、おすすめの歯磨き粉、歯磨きガムばかり注目されていますが、
(それらももちろん大事!)
実はもう少し話題になってほしいトピックがあるのです。
今回はそれについてまとめつつ、犬の歯について総合的にまとめてみました!
目次
犬の歯と人間の歯の違い

”そもそも歯の本数が違う”
犬の永久歯は42本、人間の永久歯は32本。
犬は獲物を捕らえたり肉を引き裂いたりするために進化しており、奥歯の形も人間とは大きく異なります。
ちなみに生食派の人や犬に穀物は必要ない!という考えの方がよく挙げる根拠が犬の歯の並びにあります。
犬の歯には鋭い犬歯があり、裂肉歯と呼ばれる肉を噛み裂くための歯があります。

この犬歯と裂肉歯があることが犬が肉食であることの理由になります。
(草食動物には犬歯や裂肉歯はありません。)
もちろん、人間にも犬歯や裂肉歯はありません。
ただ犬の食性については現代では”肉食寄りの雑食”、”肉食から進化した雑食”なんて言われています。
(歯の並び以外にも腸や消化液など他にも雑食と呼ばれる由縁はあるのですが、その話はまたいつか!)
”虫歯になりにくい”
犬は人間より虫歯になりにくい動物です。
理由は
・唾液がアルカリ性寄り
(人間は中性、糖を分解すると酸性寄りに)
・糖分を摂取する機会が少ない
・歯の形状が虫歯になりにくい
(隙間だらけ、親知らずがない)
などが挙げられます。
その代わりに歯周病になりやすいという特徴があります。
3歳以上の犬の約8割が歯周病予備軍とも言われています。
人間が虫歯で悩むのに対し、犬は歯周病との戦いが中心です。
犬の歯の構造を知ろう

犬の歯は見た目以上に繊細な構造をしています。
歯は大きく分けて
・エナメル質
・象牙質
・歯髄(神経・血管)
の3層構造になっています。
エナメル質
歯の表面を覆う最も硬い組織。
しかし犬のエナメル質は人間より薄く、強い力、衝撃によって欠けたり傷ついたりすることがあります。
「犬のエナメル質は人間の約1/3~1/5程度の厚さしかない」とも言われています。
また、一度傷ついたエナメル質は自然には再生しません。
そのためエナメル質を傷つけないことが重要です。
象牙質
エナメル質の内側にある組織。
エナメル質より柔らかく、刺激が神経へ伝わりやすい特徴があります。
歯が欠けたり、エナメル質が削れたりして
象牙質が露出すると、痛みや細菌感染の原因になります。
歯髄(しずい)
歯の中心部分。
神経や血管が通っており、歯の生命線とも言える存在です。
ここまで損傷したり露出すると強い痛みや感染を引き起こし、
抜歯や根管治療が必要になることもあります。
犬の歯のケア

”歯磨きが最も効果的”
デンタルガムやサプリメントだけでは歯垢を完全に除去することはできません。
人間と同じく、最も効果的なのは歯ブラシによる物理的な除去です。
理想は毎日。
難しい場合でも週3~4回以上を目標にしたいところです。
”歯垢は歯石になる”
歯垢は数時間〜数日で歯石へ変化します。
一度歯石になると歯ブラシでは除去できません。
そのため、
「歯石を取る」より
「歯石を作らせない」
という考え方が大切です。
”デンタルケアは補助として活用”
歯磨きシート、デンタルガム、デンタルジェル、飲み水添加タイプなど様々な歯のケアグッズがあります。
基本的にはこれらは補助として有効ですが、歯磨きの代わりにはなりません。
歯ブラシでのブラッシングこそが歯垢を落とす1番の方法です。
固いものは歯石や歯垢を落とすどころか壊す
硬い=歯垢や歯石が取れるは大きな誤解です。

よく見かける
・鹿の角
・ヒマラヤチーズ
・牛骨
・噛むおもちゃ(プラスチック製のものや木製のものなど)
などは歯垢や歯石が落ちるどころか歯まで削られてる恐れがあります。
少なくとも歯の生え変わり前で歯がかゆいパピー期の乳歯なら抜け落ちるのでまだしも、
犬の大人の歯は生え変わりません。
歯が折れたり、
固いものを噛み続けたことで歯が磨耗し、
歯の先端が削れて歯が平らになってしまうことも珍しくありません。
摩耗した歯はエナメル質が削れ象牙質、酷い時には歯髄が露出してしまってることもあります。
噛むおもちゃの他にもプラスチック製のボールが好きで長時間、長年ボール遊びをして来た犬がボールに当たる部分がほとんど摩耗し、
歯の先が丸くなってしまったという症例も紹介されました。
”犬の歯は意外と割れる”
特に奥歯の第四前臼歯(裂肉歯)は破折しやすい歯です。
犬の歯は折れるというより縦にヒビが入り、
“.裂ける”という表現が正しいようにも感じます。
硬いものを噛んだことで、
・ヒビが入る
・欠ける、割れる
・摩耗して神経が露出する
ことがあります。
”歯が割れるとどうなる?”
強い痛みや細菌感染が起こることも。
犬の歯科治療は抜歯が多く、根管治療が必要になる場合もあります。
一度割れた歯は元には戻りません。
”安全性の目安”
以前講座を受けた歯科専門の先生は
「自分の爪でへこまないものは硬すぎる可能性がある」
とおっしゃっていました。
また、
「膝で叩いても割れないほど硬いものは犬の歯にも硬すぎる」
という考え方もあります。
とにかく硬いものを犬に噛ませることはいいことがないということです。
(単純なストレス解消にはなるかもしれませんが代償が大きすぎます)
犬の歯に関する主な疾患

⚫︎歯周病
最も多い口腔疾患。
症状は
・口臭
・歯ぐきの赤み
・出血
・歯のぐらつき
など。
進行すると顎の骨が溶けることもあり、
よだれが止まらなかったりすることも。
⚫︎歯根膿瘍
歯の根元に細菌感染が起こる病気。
顔が腫れたり、目の下が腫れたりすることがあります。
上の歯の歯根が膿み、その膿が鼻から出てきてしまい鼻水と勘違いしてしまう事象もあるようです。
⚫︎破折(歯が割れる)
硬いおやつや事故などで発生。
犬は痛みに強く、また痛みを隠すこともあるため、見逃してしまうことも少なくありません。
⚫︎乳歯遺残
永久歯が生えても乳歯が残る状態。
特に小型犬で多く見られます。
歯並びが悪くなり、
歯垢がたまりやすくなるため歯周病リスクが高まります。
避妊去勢手術の際に歯もチェックして乳歯を抜歯してしまうことが多いです。
最後に
「犬は虫歯になりにくいから大丈夫」ではなく、
「犬は歯周病になりやすいからこそ予防が大切」。
そして、
「犬に固いものを噛ませると良い」は
「大きな迷惑で間違い」!!!!
歯を守るために与えた硬いおやつが、逆に歯を壊してしまうこともあります。
毎日の歯磨きと定期的な口腔チェックが、愛犬の健康寿命を支える大切な習慣です。

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