はじめに
今や当たり前に犬に与えるものは無添加のものが増えています。
その上で着色料などの保存に必要ではない見た目をよくするものなどは減少しつつあります。
今回のテーマにしている増粘多糖物も添加物の1種です。
粘るという感じがある通り、粘土を出す役目をしている食品添加物です。
保存性を高めたり、とろみをつける炊くわりを果たす一方で腸によくないという意見を目にします。
ということで今回は増粘多糖物とはなんなのか、どんな役割を果たすのか、身体に対してどんな悪いことを起こすのかなどについてまとめてみました。
目次
増粘多糖物とは
増粘多糖物(ぞうねんたとうぶつ)とは、食品にとろみや粘りを与えたり、成分を均一に保つために使われる「食品添加物」のひとつ。
天然由来の植物・海藻・微生物から作られるものが多く、
見た目を均一に整えたり、口当たりを良くするために広く利用されています。
増粘多糖物の代表的なもの
食品の原材料表示に出てくる主な増粘多糖物は以下のものが多いです。
• キサンタンガム(とうもろこし由来の糖を発酵させて作る)
• グアーガム(グアー豆から抽出)
• カラギーナン(海藻由来)
• アルギン酸Na(昆布などの褐藻由来)
• ペクチン(果物の皮や種から抽出)
• タラガム / ローカストビーンガム(マメ科植物由来)
ドッグフードにおいてはグァーガム、カラギーナン、キサンタンガムが多い印象です。
増粘多糖物が添加される理由
食品メーカーが増粘多糖物を添加するのには理由があります。
• とろみ・粘りを出して食感、口当たりをよくする
• 水分や油分を分離させず、安定させ保存性を高める
(乳化安定作用=同じ食品添加物の乳化剤が添加される目的と同じ)
• 安価に大量生産できる
• カロリーがほぼなくカロリーを抑えられる
• 保存性を高め、見た目を良くする
→ 人間用の食品の場合にはプリン、ゼリー、ドレッシング、アイスクリームなどに多く添加されています。
ペットフードでは“見た目”と“保存性”のために使用されることが多く、
ウェットフードへの添加が主流です。
増粘多糖物の添加目的として、見た目や保存性のほか、介護食や離乳食ではより均一の食感を作るために添加されていることもあります。
(よりナチュラルなものだと粘り気をだすために米粉などで代用されているものも増えてきました。)
介護食や離乳食のほか、療養食でも必ずと言って良いほど添加されています。
増粘多糖物が腸に悪いと言われる理由
増粘多糖物は一部「食物繊維」と似た性質を持ちます。
増粘多糖物が食物繊維と異なり問題になるのは“消化吸収されにくさ”と“腸内細菌への影響”が挙げられます。
• 消化されにくい
→ 大腸に大量に残りやすく、ガスや腹部膨満感を起こす原因に。腸が必要以上に動き続けることで腸が疲労するとも言われています。
• 腸内細菌バランスの乱れ
→ 多糖は読んで字の通り糖が集まったもの。
不自然に精製・濃縮された多糖は腸内細菌が過剰に発酵し、腸内環境を乱す可能性があります。
腸内環境、腸内細菌のバランスが崩れると便の調子が悪くなるほか、
アレルギー反応が出やすくなったり、皮膚被毛の状態が悪くなったり、精神的に余裕がなくなったりなど悪いこと尽くし。
• 炎症リスク
→ 特に「カラギーナン」は動物実験で腸粘膜を刺激し炎症を誘発するという報告もあります。
腸炎になりやすい、消化器系のトラブルになりやすい犬はカラギーナンが添加されているものは避けた方が良いでしょう。
また、慢性的な消化器トラブルがある場合には与えているものにカラギーナンが添加されているかどうか確認してみるのもおすすめです。
• リーキーガットの懸念
→ 長期的な増粘多糖物の給与は腸粘膜を弱め、腸のバリア機能を下げる可能性が指摘されています。
リーキーガットとは腸漏れとも言われる症状のこと。
増粘多糖物が添加されたものを与えてすぐに何か症状が出るわけではないし、
毒物とも言い切れない存在ではあるけれど日常的に長期的に摂取していると腸に良いものでは無いっていうことなんですよね。
増粘多糖物のメリット
では増粘多糖物はなぜペットフードに添加されているのか。
当たり前ですが目的があるから添加されているのです。
・見た目や食感を整えるため
缶詰やパウチなどのウェットフードは基本的に加熱殺菌するため肉や野菜が煮崩れたり、水分や油、具材が分離しやすい傾向にあります。
増粘多糖物を入れると「具材+スープ」が均一になって、ドロッとまとまりやすくなります。
パッケージを開けた時のみためが良いことや、
均一に混ざっているのでバラつきなく中身を与えることができます。
・水分保持のため
増粘多糖物を添加することで、
パッケージを開けたときに水っぽくならず、しっかり“ペースト状”や“シチュー状”を保つことができます。
水分を保持し均一な見た目にすることで
犬が食べやすく、飼い主さん的にも「美味しそう」に見えます。
ペースト状の場合は介護食の際には誤嚥を防いだりシリンジで与えるために水分を保持し均一の食感にしてあることはとても重要になります。
・原価を抑えるため
ウェットフードの場合、水分量が多いため長い期間を保存させるのは工夫が必要になります。
(水分が多いとその分菌が繁殖しやすくなります。)
増粘多糖物を添加すれば水分量を多めにしても粘度を調整できるため品質の安定した商品を安く大量に作ることができます。
・噛まずに食べる犬への配慮
人間の離乳食や介護食でも同様ですが
水分が多くシャバシャバな食事は与えにくく、流動的すぎるとむせたりこぼしたりしやすいですが、少しとろみがあると口当たりがよく与えやすく誤嚥も防ぎやすくなります。
人間がとろみ剤を使うように食事にサポートが必要な犬にとって増粘多糖物はとろみ剤のような役割を果たします。
増粘多糖物が体質に合わないことで起こる症状
犬によっては 増粘多糖物が体質に合わないケース があります。
特に消化器がデリケートな子や、もともと腸内環境が乱れやすい子、
お腹が緩くなりやすい犬は注意が必要です。
〜犬に増粘多糖物が合わない場合に出やすい症状〜
【消化器系】
• 下痢・軟便
(腸で水分を保持しすぎたり、発酵しすぎて刺激になる)
• ガス・お腹の張り
(腸内細菌が異常発酵することで起こる)
• 嘔吐
(特にカラギーナンやキサンタンガムで刺激を受けやすい子)
【皮膚・アレルギー系】
• かゆみ・赤み
(腸のバリア機能が下がることでアレルギー反応が出やすくなる)
• 涙やけ・耳のかゆみ
(腸内環境の乱れが皮膚や粘膜に影響)
【慢性的な影響】
• 便の安定しなさ
(日によって軟便と硬便を繰り返す)
• 体重増減の不安定さ
(吸収効率が乱れる)
• 食欲ムラ
(お腹が重たくなる感じから食欲不振になる子も)
〜特に注意したい犬のタイプ〜
• 消化器が弱い犬種
(トイプードル、チワワ、ヨーキーなど小型犬に多い)
• アレルギー体質の犬
• シニア犬
(腸内細菌の多様性が減っているため影響を受けやすい)
• 過去に原因不明の軟便や下痢を繰り返している子
最後に
増粘多糖物は「少量なら問題ない子」がほとんどです。
しかし体質によっては、便が安定しない・お腹が張る・皮膚の調子が乱れる、といったサインが出ることがあります。
(もしかしたらお腹が緩いのは増粘多糖物かも!?というのも頭の片隅に置いておくのも◎)
増粘多糖物は「食感を良くするための影の立役者」だけど、腸にとっては余計な負担になり得る存在。
消化器系に不安があるならば増粘多糖物が使用されている製品は避けて
腸活を意識するなら、なるべく自然な素材で作られた食品を選ぶことがポイントです。

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