最初に
ベトナム料理や台湾料理、最近流行の火鍋にも欠かせないパクチー。
苦手な人も多い香味野菜ですが、犬にとって有益な野菜ということはあまり知られていません。
香味野菜はネギや茗荷を筆頭になんとなく与えてはいけない、少し怖い印象がありますがパクチーは犬にとって友好的な香味野菜のようです。
今回はそんなパクチーについて日本の情報サイトと海外の情報サイト、そして書籍より調べ、まとめてみました。
目次
パクチーとは

セリ科の野菜で英語ではコリアンダー、中華ではシャンツァイと呼ばれています。またチャイニーズパセリ、メキシカンパセリとも言うそうです。独特な香りが特徴で苦手な人も多いでしょう。
香味野菜としてのイメージが強くパクチー自体があまり栄養価の高い野菜の印象は少ないですが、実はとっても犬にとって有益な野菜。
欧米ではハーブとして扱われるほどです。
独特で強いパクチーの香りは乾燥させると和らぎ、この香りの成分にはリナロールやゲラニオールという精油成分が含まれリラックス効果や抗炎症作用がある香りです。
パクチーの栄養
パクチーの栄養成分 (100g当たり)
エネルギー 18kcal
タンパク質 1.4g
脂質 0.4g
炭水化物 4.6g
食物繊維総量 4.2g
Na 4mg
K 590mg
Ca 84g
Mg 16mg
P 59mg
Fe 1.4mg
Zn 0.4mg
Cu 0.09mg
βカロテン 1700μg
ビタミンD 0
ビタミンE 2.1mg
ビタミンK 190μg
ビタミンB1 0.09mg
ビタミンB2 0.11mg
ナイアシン 1.3mg
ビタミンB6 0.11mg
葉酸 69μg
パントテン酸 0.52mg
ビオチン 6.2μg
ビタミンC 40mg
パクチーの注目すべき成分はカリウム、マグネシウム、βカロテン、ビタミンK。
・カリウム
浸透圧やphの維持、水分代謝などに作用し、デトックス作用でよく知られる。
過剰分は排泄されるため、カリウムは毎日摂取する必要があるが、過剰摂取が続くと血圧上昇、心疾患、心不全を引き起こす。
激しい下痢や嘔吐ではカリウム欠乏症による不整脈が起きることがある。
・マグネシウム
骨の構成成分で体内の70%のマグネシウムは骨に存在している。
神経の興奮を抑制する効果(抗ストレス)、リン酸か反応に活力を与える効果があり、欠乏すると成長遅延、過剰な刺激感受性、テタニー(痙攣)が生じ、死に至る。
低マグネシウム食を食べているとマグネシウムの吸収率は高くなり、高マグネシウム食を食べていると吸収率は低くなる。また、リン、カルシウム、カリウム、脂肪、タンパク質が高配合の食事でもマグネシウムの吸収率は下がる。
マグネシウムは消化管〜腎臓で濾過、再吸収、排出されるが食事中のマグネシウムが高配合だとストルバイト結晶を発生しやすい。
・βカロテン
βカロテンは消化管の細胞内でレチノール(ビタミンA)に変化する。
ビタミンAは脂溶性ビタミンなので、脂肪分やビタミンEと併せて摂取すると吸収率が高まる。
反対に水溶性食物繊維はビタミンAの吸収を阻害する。
消化管の細胞内でレチノールに変化し、他の資質ともにリンパ管を通り、肝臓に蓄積する。
脂溶性ビタミンなので余剰分は排出されずに体内(肝臓)に蓄積されるため、過剰摂取すると骨の奇形、骨折、内出血、赤血球の減少、結膜炎、腸炎、肝機能の低下、腎機能の低下、食欲不振、体重減少などが挙げられ犬は他の動物と比較してもビタミンA中毒に罹りやすいとされている。
反対にビタミンAが欠乏すると夜盲症、眼球乾燥症、皮膚障害の一因となる。
・ビタミンK
ビタミンKは血液の凝固作用に欠かさない脂溶性ビタミン。この血液を凝固するタンパク質はビタミンKによる活性がなければ作用しないため、ビタミンK依存性タンパク質と呼ばれている。
他には骨代謝や細胞増殖に関与している。
ビタミンKには植物性の食物に含まれるビタミンK1と微生物が生み出すビタミンK2がある。パクチーの場合はビタミンK1。ドッグフード等に添加されるものは合成されたものでビタミンK3となる。
ビタミンK3は体内でビタミンK2により代謝され体に作用する。犬は消化管内でビタミンK2を合成でき、それによって通常の食餌に含まれるビタミンK3を代謝できるため欠乏することは少ない。
欠乏すると出血が生じやすくなり、また血が止まりにくくなる。毒性は低く、過剰摂取による中毒症状は少ないが大量に摂取すると肝臓に負担がかかり凹たんなどの症状が出ることがある。
抗生物質の服用(特にセフェム系)により、消化管内でのビタミンK2の生成を抑制してしまうのでビタミンKの要求量が増加する。
パクチーの効果
・抗酸化作用
強い抗酸化作用を持ち、細胞の劣化防ぎます。
参加に関しては下記の記事で詳しく解説しています。
・デトックス効果
デトックスとはそもそも体に溜まった有毒な成分を排出するというもの。言い換えれば解毒作用とも言えます。鉛や水銀など体に溜まった有害物質を尿により排出することを助ける作用があるとのこと。
・消化を助ける(消化剤)
胃液と胆汁の分泌を促し、消化管内に溜まったガスを排出させ、食欲不振を改善する効果があるとのこと。また、犬が車酔いにより嘔吐した際にも効果的だそうです。
・リラックス作用、抗炎症作用
パクチーの独特の香りの成分、リナロールやゲラニオールは精油成分の1種でリラックス効果や抗炎症作用が期待されます。
与え方
人間のように強いパクチーの匂いが苦手で食べることを嫌がる犬も少なくありません。
パクチーは乾燥すると匂いが和らぐので乾燥させて与えるのも良いでしょう。乾燥され、粉末状になったパクチーはコリアンダーの名称で販売されており、比較的簡単に手に入れることができます。
パクチーの茎は消化しにくいので葉を中心に与えましょう。
体の小さい犬や消化が心配な場合には刻んで与えましょう。
初めて与える場合は少量から試し、犬の様子を見ること。嘔吐や下痢があれば与えるのをやめましょう。
与える量
どんな食材でもそうですが、与えすぎは良くありません。
パクチーは野菜というより、ハーブとして考えましょう。沢山与えたからといって中毒や死に至ることはありませんが、トッピング程度の量に収めましょう。
我が家の場合、4.5kgの愛犬に与えるなら生のパクチーを刻んだものを3〜5g程混ぜる程度にします。
文献
・https://petokoto.com/articles/2045
・https://www.petlabco.co.uk/blogs/dogs/can-dogs-have-coriander
・https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=6_06385_7
・https://greg.app/coriander-toxic-to-dogs/
・NHK出版体のための食材大全 監修池上文雄 加藤光敏 河野博 三浦理代 山本謙治 118ページ
・ユーキャン自由国民社 The FOREVER DOG ロドニー・ハビブ カレン・ショーン・ベッカー クリスティン・ロバーグ 松丸さとみ訳 山下翠監修 329ページ
アドスリー 一般社団法人日本ペット栄養学会編 ペット栄養管理学テキストブック 45、47、49、64、65ページ

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