今回はアミノ酸について。
ビタミンやミネラルに比べるとドッグフードに添加されていることは少ないですが、
主要原材料のタンパク質のとの栄養バランスを保つため、またはよりタンパク質の吸収率、利用率を高めるために添加されていたりします。
そのアミノ酸特有の効果が期待されて添加されている場合もあると思います。
- アミノ酸とは
- 必須アミノ酸とは
- アミノ酸スコアとは
- リジン
- メチオニン
- バリン・ロイシン・イソロイシン
- トレオニン
- フェニルアラニン
- トリプトファン
- ヒスチジン
- アルギニン
- シスチン
- アスパラギン酸
- グルタミン酸
- グリシン
- アラニン
- アスパラギン
- グルタミン
- セリン
- システイン
- チロシン
- プロリン
- カルニチン
- γ(ガンマ)アミノ酪酸:GABA
- δ(デルタ)アミノレブリン酸:ALA
アミノ酸とは
アミノ酸とはタンパク質の構成成分で
わかりやすく言うとアミノ酸が沢山集まってできているのがタンパク質。
昨今、健康や筋肉増強に良いとアミノ酸のサプリメントや健康食品が販売されたりしているが、
実はアミノ酸が体に摂り入れられた時にどのような形で細胞に伝えられるのかはいまだに解明されていない。
例えば、タンパク質の1種のコラーゲンを摂取したからといって
美肌効果や関節の健康状態の改善に役立つかと言われると。これも解明されていない。
確か効果があるのかもしれないし、効果が全くないのかもしれない、そしてどんなメカニズムで体に作用しているのかもあまり判明していないと言うわけである。
ちなみにタンパク質の機能として判明しているのが以下である。
皮膚・結合組織・骨格の構成成分、酵素となる、運動器官として筋肉の収縮を行う、免疫に関与、情報伝達物質となる、エネルギー源となる、アミノ酸を貯蔵する
必須アミノ酸とは
人も犬も体内でアミノ酸を合成できるが、
中には体内で合成できず、食べ物から摂取しなければいけないアミノ酸もある。
それが必須アミノ酸であり、
犬の場合はバリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、ヒスチジン、アルギニンが必須アミノ酸である、
アミノ酸スコアとは
食品中または食事中に含まれるアミノ酸の含有バランスを評価するための指標のこと。
アミノ酸スコアが100に高いほど体内利用率が高い。
アミノ酸の利用では、
例えば、
他のアミノ酸がスコア100でも、ある1部のアミノ酸が10だとしたらアミノ酸全体の利用率もスコア10の働きしかできない。
そのためアミノ酸はバランスよく摂取する必要がある。
特に最も不足しがちなアミノ酸を第一制限アミノ酸と言い、
穀類や豆類由来のアミノ酸が多く、リジンやメチオニンが第一制限アミノ酸になる。
このため動物性タンパク質と穀類や豆類を組み合わせて与えることがアミノ酸の利用率において重要。
リジン
必須アミノ酸、第一制限アミノ酸
とうもろこしなど穀類に含まれるアミノ酸。
草食動物以外の動物が穀物中心の食事生活を送っていると、リジンが不足しリジンに合わせた量しか他のアミノ酸も吸収されず、
必要量のタンパク質を摂取していても栄養にあまりなっていなかった、なんてことになる。
リジンは肝臓でアミノ酸代謝に関する酵素の制御に関与していることが明らかになっており、
リジンを添加することで摂取したアミノ酸を最大限利用することができる。
これには食事の節約効果(食べた分量に対して利用できる栄養価が高いこと)あり、結果として腎臓への負担も軽減される。
これらのことから肝疾患動物にはリジンが添加されることがある。
ただし、何事も与えすぎは禁物で過剰摂取になるとアルギニンと互いに吸収を阻害するので、
飼養基準等や鶏卵のリジンとアルギニンのバランを超過しないようにするべきである。
メチオニン
必須アミノ酸、第一制限アミノ酸
様々な生命現象に関与し、生体維持に関して役割が大きい。
筋肉タンパク質の合成にも関与し、
植物性タンパク質の含量にはばらつきがあるため、
植物性タンパク質を中心に摂取した場合には成長遅延などが見られる。
バリン・ロイシン・イソロイシン
必須アミノ酸
BCAAとも言う。
情報伝達物質や筋肉や組織のタンパク質合成促進、分解の制御を行う。
運動後に摂取することで筋肉の分解を防ぐ効果が期待される。
バリン、ロイシン、イソロイシンは分岐鎖アミノ酸と言い、
分岐鎖アミノ酸は筋肉に直接代謝される。
特にロイシンは徐々に明らかになってきていて、
養鶏においてはわざと少ない食事を与えてアミノ酸代謝を増やし、
中間代謝物のグルタミン酸(=旨み成分でもある)を増加させる研究も進んでいる。
トレオニン
必須アミノ酸
読み方の違いでスレオニンと表記されることもあるが同じものである。
トレオニンは必須アミノ酸の中でも最後に発見された。
脂肪の蓄積を予防し、成長を促進させ、肝臓の機能向上、新陳代謝の促進、胃の炎症や筋肉の緊張亢進を改善する。
特に肌や髪の保湿因子であるNMFの構成成分で、NMFは角質層の水分量を増加させる効果がある。
動物性タンパク質に多く含まれる。
フェニルアラニン
必須アミノ酸
精神の高揚、記憶力の向上などの効果が期待されている。
動物性タンパク質に多く含まれている。
フェニルアラニン化合物とはフェニルアラニンとアスパラギン酸が結合した人工甘味料で、
フェニルケトン尿症という先天的にフェニルアラニン代謝がない病気の場合は摂取を避ける必要がある。
アスパルテームもフェニルアラニン化合物の代表的な甘味料で体内でアスパラギン酸とフェニルアラニンに分解される。
過剰摂取すると脳に悪影響が起こり、神経伝達物質が不足、精神の発達に影響が生じる。
フェニルアラニンはチロシンの代謝にも関与しているので、
フェニルアラニンが過剰に摂取された場合にはチロシンの代謝にも悪影響が起こり
髪の毛や皮膚色が薄くなる。
トリプトファン
必須アミノ酸
動物性タンパク質、特に乳製品や大豆製品に多く含まれています。
不眠やアンチエイジング、記憶力、集中力、精神の安定に効果があるとされる。
特に睡眠ホルモンのメラトニンはトリプトファンからセロトニンを経て作られるため、不眠の改善効果が期待されている。
過剰摂取により、人では無気力や吐き気、頭痛等の症状が報告されいる。
ヒスチジン
必須アミノ酸
一過性の疲労感の軽減、集中力向上等の効果が期待されている。
不足すると湿疹や貧血等が見られる。
赤身魚に多く含まれる。
ヒスチジンはヒスタミン産生菌の酵素が原因でヒスタミンになります。
ヒスタミン産生菌はすでに海水中にあり漁獲時から付着し、ヒスチジンに影響を与えていることもある。
ヒスタミンを人の場合、100ミリグラム以上摂取するとアレルギーのような症状の食中毒になる。
犬でもヒスタミンが繁殖した赤身のマグロを摂取した後に嘔吐の症状が発現すた例が報告されている。
室温はもちろん、0度から10度でもヒスタミンは繁殖するので非常に厄介。
加熱しても殺菌されないため冷凍がおすすめ。
アルギニン
必須アミノ酸
血管拡張作用や血小板の凝固抑制作用がある。
一酸化窒素の合成や細胞を分解し代謝する尿素回路の働きに関与、近年では血流調整機能もあることが判明。
シスチン
非必須アミノ酸
シスチンはメチオニンから合成されるが、要求量が他のアミノ酸と比較すると多い。
シスチンはコラーゲンの構造に関与したり、抗酸化にも関連したりと重要なアミノ酸である。
メチオニン過剰になるとシスチンは毒性を持つことがありメチオニンとシスチンのバランスには注意が必要。
反対にシスチン単体で過剰になってもメチオニンが不足していなければ毒性を持つことはない。
シスチンは2個結合するとシステインになり、
システインは皮膚代謝の調節機能が報告されている。
システインは抗酸化活性があるが、多量に摂取すると血液が酸化する。
アスパラギン酸
非必須アミノ酸
面白いことにその名の通り、アスパラガスに多く含まれる。
疲労回復、滋養強壮、新陳代謝の促進、タンパク質の合成促進、乳酸の分解促進の効果が期待される。
これらの効果への期待から人ではスポーツ飲料などにも利用されている。
不足すると疲労感が増加し、アンモニア排出が停滞、肝性脳症のリスク上昇などの可能性が挙げられる。
過剰摂取で興奮性神経伝達物質、”興奮毒”になる。
グルタミン酸
非必須アミノ酸
旨み成分の1つ。
神経伝達作用があり、記憶や学習に強く関与している。
日本人の食生活での不足は稀とされているが不足すると脳への悪影響、排尿障害などの可能性がある。
トマト、ブロッコリー、干し椎茸、昆布などいわゆる旨みがある食材に多く含まれる。
過剰摂取はアルツハイマーなどの神経変性疾患のリスク増加、過剰興奮、神経細胞の死滅を招く可能性があり、神経毒とも言われる。
グリシン
非必須アミノ酸
神経伝達作用があり、運動能力や感覚に作用している。
コラーゲンの構成成分でもある。
グリシンの摂取で睡眠の質が向上することがわかり睡眠薬の代替薬として期待されている。
ゼラチン、エビ、大豆製品、うなぎ、牛すじ、鶏軟骨、豚足などに多く含まれる。
食品添加物として
静菌作用目的で添加され食品の日持ちを良くする効果がある。
不足すると関節痛や皮膚の異常、眠気を起こすと言われている。
アラニン
非必須アミノ酸
糖の材料になる、肝臓の保護、アルコール代謝、脂肪燃焼などが期待される。
ケトーシスを防ぎ、グルカゴンの分泌にも関与。
特に糖としてエネルギー源の役割を担い、体内のアラニンの量が十分だとエネルギーが不足し疲労した時にも、結果的に疲労を軽減し筋肉量や骨量減少を防ぐ。
ゼラチンやしらす、大豆製品、肉類に多く含まれる。
食品添加物としても使用され、旨み向上や酸味や塩見、苦味を緩和させる目的で添加される。
過剰摂取においては消化不良や下痢等の消化器疾患が起こります。
アスパラギン
非必須アミノ酸
疲労回復、新陳代謝促進、肝臓保護作用によるアンモニア排出機能向上が期待。
アスパラガスや大豆などに多く含まれる。
アスパラギン酸から生成され、名前もアスパラギン酸と似ているが全く別成分。
低アスパラギン食が抗がん作用がある可能性がある。
食品添加物としてはLアスパラギンの使用が認められている。
人用の医薬品でLアスパラギンは低タンパク質や低栄養状態での栄養補給目的で用いられている。
人の場合、過剰摂取しても体内で代謝され蓄積されることは少ない。
グルタミン
非必須アミノ酸
グルタミンはグルタミン酸とアンモニアから生合成されるが、グルタミン酸とは異なる成分。
アンモニアの運搬、肝臓内のグルタチオン濃度の維持、窒素の提供、胃の粘膜保護、腸の働きをサポートする作用が期待される。
大豆や小麦粉、肉類に多く含まれているが熱や水分に弱い。
不足すると筋肉の分解、免疫低下、腸内環境の悪化、皮膚の異常等が見られる。
過剰摂取は肝臓や腎臓への負担を増加させる。
最近は筋トレに励む人の間で筋肉増強に役立つと話題になっている。
セリン
非必須アミノ酸
グリシンやグルタミンから合成される。
大豆製品やゼラチン、しらす等に多く含まれる。
皮膚への保湿効果や脳機能、睡眠の質向上の効果が期待される。
食品添加物ととしてはLセリンが添加される。
過剰摂取による毒性は低い。
不足するとアルツハイマーや認知症進行につながる恐れがある。
システイン
非必須アミノ酸
抗酸化作用があり、肌荒れや肌のターンオーバーに効果があるとされ、
人用のハイチオールの主成分でもある。
食品だと海苔やいくら、ごま、肉類に多く含まれている。
過剰に摂取すると糖の分ん会やインスリンの働きが阻害され糖尿病のリスクが上がる。
チロシン
非必須アミノ酸
神経伝達作用がある。
ドーパミンの維持作用により抗ストレス作用、集中力向上があり、甲状腺ホルモンやメラニンの材料になる。
チロシンが不足すると無気力にある。
過剰摂取で吐き気、頭痛、肥料間、関節痛などが起こる。
チーズ(特にパルメザンチーズ)、納豆、豆腐、バナナ、ナッツ類に含まれる。
プロリン
非必須アミノ酸
皮膚組織の構成成分、コラーゲンの材料となる。
保湿成分:NMFtosite最も重要なアミノ酸で高い保湿作用がある。
ゼラチン、チーズ、エビ、大豆製品、小麦粉肉類に多く含まれる。
厳密にはアミノ酸ではないと言う意見もあり、いずれアミノ酸から外される可能性がある。
カルニチン
エネルギーを脂肪酸から産生する上で重要な役割をする。
そのため脂肪燃焼効果があるとしてサプリメント等にもなっている。
ラム肉に多く含まれる。
γ(ガンマ)アミノ酪酸:GABA
セロトニンの前駆物質で抗ストレス効果などが謳われているが、
GABAを摂取したとしてもそのまま脳まで到達するかどうかはいまだ解明されておらず、
今後の研究に期待がされている。
δ(デルタ)アミノレブリン酸:ALA
赤血球や卵殻色素の前駆物質になるアミノ酸。
近年、化学合成が可能になり安価で供給されるようになってことから研究も進んだ。
現在では動物の利用はいまだ解明されておらず、植物にのみ利用されており、
今後に期待である。

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